ギュウドウ!三軒茶屋店での思い出

専務の小ネタ部屋

さつま福永牛と共に紡いだ、都市の片隅の小さな物語

はじめに:夢と不安を胸に

2018年初夏、賑やかな三軒茶屋の街角に、小さな看板が掲げられました。「ギュウドウ! 三軒茶屋店」—鹿児島から遠く離れた東京での、私たちにとって初めての関東出店でした。

それから7年。2025年5月、ありがたいことに惜しまれつつも店舗での営業に区切りをつけることになりました。しかし、この7年間で築いた絆は、決して途切れることはありません。

今日は、三軒茶屋店で出会った大切なお客様との思い出を振り返りながら、これからも続く繋がりについてお話しさせていただきます。


2018年:新天地での挑戦

初日の緊張と温かい出迎え

開店初日のことは、今でも鮮明に覚えています。鹿児島の自然豊かな環境で育った「さつま福永牛」が、果たして東京のお客様に受け入れていただけるのだろうか…そんな不安を胸に、スタッフ一同で店舗に立ちました。

初めてのお客様 「ここ、新しいお店ですね。どちらのお肉を扱っているんですか?」

そう声をかけてくださったのは、近所にお住いのご夫婦でした。恐る恐る「鹿児島から参りました…」とお話しすると、

「鹿児島!いいところですね。一度食べてみたかったんです。」

その優しい笑顔に、どれほど励まされたことでしょう。

地域に根ざしたい想い

三軒茶屋という街を選んだのは、地域の皆様に愛される店でありたいという想いからでした。住宅街に近いこの場所で、日常の延長線上で「特別なお時間」をご提供したかったのです。


お客様との心温まるエピソード

Tさんご家族:記念日の定番店に

Tさんご家族との出会いは、開店から3ヶ月後のことでした。お父様の誕生日のお祝いで初めてご来店いただき、それから7年間、ご家族の大切な節目には必ずお越しいただきました。

印象的だった出来事

  • 娘さんの中学受験合格のお祝い
  • 息子さんの高校野球大会出場前の「勝負飯」
  • ご親戚の還暦のお祝い
  • そして昨年は、娘さんの大学合格報告

「ここに来ると、家族の特別な日がより特別になるんです」というお父様の言葉は、私たちにとって何よりの宝物でした。

Yさん:一人焼肉の常連さん

月に数回、お一人で焼肉を楽しみにいらしていたYさん。最初は「一人で焼肉なんて…」と遠慮がちでしたが、スタッフとの会話を楽しみにしてくださるようになりました。

忘れられない会話 「若い頃は家族と一緒に焼肉を食べたもんですが、今は一人です。でも、ここに来ると皆さんが家族みたいに話しかけてくれるから、寂しくないんですよ。」

Yさんのために、いつもカウンター席を用意し、お肉の焼き方をお手伝いしながら、近況をお聞きするのが私たちの楽しみでもありました。

Sさんカップル:思い出の場所

2023年の12月、当時お付き合いが始まったばかりのSさんカップルがいらっしゃいました。彼からスタッフに「実はまだ知り合って間もなくて」と相談があり、お店全体で遠からず・近からずのお手伝いをさせていただきました。彼が遠方にお住まいのお二人。久しぶりにご来店の4月、「もうすぐ彼女が引越してくるんです」との報告に来てくださいました。
そして、「僕たちの恋の歴史に、ギュウドウ!があります」とのSさんの言葉に、スタッフ一同、心で『万歳!』が止まりませんでした。

近隣オフィスの皆様:歓送迎会の定番店

三軒茶屋周辺のオフィスで働く皆様にも愛用していただきました。特に印象深いのは、IT企業の営業部の皆様です。

新人歓迎会、忘年会、プロジェクト成功の打ち上げ…様々な場面でご利用いただく中で、

「ここのお肉を食べると、明日への活力が湧いてくるんです!」 「大切な商談も、ここでの食事で成功する」
そんな風に言っていただけることが、どれほど嬉しかったか。お客様の成功や喜びの一部に、私たちも参加させていただいているような気持ちでした。


コロナ禍での絆の深まり

2020年:試練の年

2020年、新型コロナウイルスの影響で、飲食業界は大きな試練に直面しました。緊急事態宣言下での休業、時短営業、座席数の制限…経営的にも、精神的にも厳しい時期でした。

お客様からの温かい支援

そんな中、お客様からいただいた温かい言葉とご支援は、今でも忘れることができません。

テイクアウトでの支援 「お店で食べられないなら、家で食べます!」 常連のお客様が率先してテイクアウトをご利用くださり、中には「スタッフの皆さんの雇用を守ってください」と言って、いつもより多くご注文くださる方もいらっしゃいました。

手紙での励まし T様からは、手紙をいただきました。

「コロナで大変な時期ですが、私たち家族にとって、ギュウドウ!は特別な場所です。必ず乗り越えられることを信じています。落ち着いたら、また家族でお邪魔します。」

オンラインでの繋がり この時期に本格的に始めたオンラインショップでは、多くの常連のお客様がご注文くださいました。「お店の味を家でも楽しめて嬉しい」「家族時間が増えた分、良いお肉で特別な夜にしています」というお声をいただきました。




オンラインショップへの想い

コロナ禍で見つけた新しい可能性

2020年から本格的に始めたオンラインショップは、当初は店舗営業の補完的な位置づけでした。しかし、お客様からのご要望や反響を受けて、今では私たちの重要な事業の柱となっています。

お客様からのお声 「お店の味を家でも楽しめて嬉しい」 「遠方の家族にも、この美味しさを届けたい」 「贈り物として、とても喜ばれます」

新しい繋がり方

オンラインショップを通じて、これまで以上に深い繋がりを築いていきたいと考えています。

直接お届けする喜び 店舗にお越しいただく代わりに、私たちがお客様のご自宅や贈り先まで「さつま福永牛」をお届けします。物理的な距離は離れても、心の距離は変わりません。

特別な日のお手伝い 誕生日、記念日、お祝い事…これまで店舗でお手伝いしてきた特別な日を、今度はご自宅でのお食事でお手伝いします。

季節の贈り物として お中元、お歳暮、父の日、母の日…大切な方への贈り物として、私たちの想いも一緒にお届けします。


これからも続く物語

7年間の感謝

三軒茶屋店での7年間は、私たちにとって本当に貴重な経験でした。鹿児島の小さな畜産農家が育てた和牛が、東京の皆様に愛していただけたこと。それは、私たちの誇りであり、財産です。

お客様に教えていただいたこと

  • 美味しい食事は、人と人を繋ぐ
  • 食を通じて、喜びや感動を分かち合える
  • 一つ一つの出会いが、かけがえのない宝物

これからの想い

オンラインでの再会 「三軒茶屋店、なくなって寂しいな…」 そう思っていただけるお客様に、オンラインショップで再びお会いできることを楽しみにしています。

全国のお客様との出会い 鹿児島市・三軒茶屋周辺のお客様、そしてオンラインショップを通じて、全国のお客様との新しい出会いが始まっています。

お客様へのメッセージ

ギュウドウ!三軒茶屋店をご愛顧いただきました皆様、本当にありがとうございました。お客様一人一人との出会いが、私たちの財産です。私たちの想いと「さつま福永牛」の美味しさは、オンラインショップを通じてこれからもお届けし続けます。新しい形での繋がりを、どうぞよろしくお願いいたします。


オンラインショップのご案内

お店の味をご自宅で

商品ラインナップ

  • 「おうち焼肉セット」・「記念日セット」:ご家族で楽しめるボリューム満点

ギフト商品

  • 「感謝の気持ち」:お世話になった方への贈り物
  • 「おめでとう」:お祝い事用の特別包装
  • 「季節の贈り物」:お中元・お歳暮に最適

配送サービス

  • 全国どこでもお届け
  • 冷凍配送で新鮮な状態を保持
  • ギフト包装・のし対応可能
  • メッセージカード同封サービス

ご注文方法

ウェブサイト:[オンラインショップ] お電話:[0996-59-8911 ] 営業時間:平日9:00~17:30


【筆者プロフィール】 福永(株式会社牛道役員) 1級フードアナリスト 2018年から2025年まで、Gyudo!三軒茶屋店の運営に携わる。お客様との出会いと食を通じた繋がりの大切さを実感し、現在はオンラインショップを通じた新しいおもてなしの形を模索している。

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