高い和牛を買って失敗したくない!

専務の小ネタ部屋

初心者でも安心の選び方

こんにちは。福永です。

「今度の結婚記念日に、奮発していいお肉を買おうと思うんですが…」
「でも、高いお金を出して失敗したらと思うと決めきれなくて」

先日、知人からこんな相談を受けました。気持ち、すごくよくわかります。私も同じような不安を抱えていました。

今日は、そんな「和牛初心者」の皆さんに向けて、失敗しない選び方をお話しします。

私の大失敗エピソード

「高いから美味しいはず」の落とし穴

実は、恥ずかしい話ですが…以前、父の誕生日に「一番高い和牛」を買ったことがあります。勉強もかねての意味もあり、大奮発!

デパートの精肉コーナーで、値段だけを見て選んだA5ランクの霜降り肉。期待に胸を膨らませて帰宅したのですが…

「脂っこすぎて、半分も食べられない」 「なんだか胃もたれしそう」

父の様子を見て、私は愕然としました。食欲旺盛でなんでもいくらでもペロリの父が⁈
‥高いお金を出したのに、なぜ?

その時気づいたこと

後で分かったのですが、父には「最高級の霜降り肉」は合わなかったんです。

見かけによらず、実はあっさりした味を好む人。そして他の家族も、どちらかというと素材の味を大切にする料理が好み。

「高い=美味しい」ではなく、「自分たちに合う」かどうかが大切だったんです。

「失敗」ってどんなこと?

よくある失敗パターン

パターン1:「脂っこすぎた」 霜降りの美しさに惹かれて選んだけれど、家族には重すぎた。特に子どもや高齢者には食べにくいことも。

パターン2:「固くて噛み切れない」 見た目は良かったけれど、実際に食べてみると筋っぽくて固い。調理法も影響するけれど、部位選びが重要。

パターン3:「味が薄い」 きれいな霜降りなのに、なんだか物足りない。脂は多いけれど、旨味が少ない和牛もあります。

パターン4:「量が足りない」 小さなパックで高額。家族みんなで食べるには全然足りず、結局満足度が低い。

失敗の本当の原因

これらの失敗、実は和牛が悪いわけではありません。

「選び方」と「期待値の設定」が合っていなかっただけなんです。

失敗しない3つのルール

ルール1:「目的」を明確にする

まず、何のために和牛を買うのかを明確にしましょう。

特別な記念日なら → 少量でも最高品質のものを選ぶ

家族みんなで楽しむなら → 適度な霜降りで、量もしっかり確保

初めての和牛体験なら → クセが少なく、食べやすい部位から

この目的によって、選ぶべき和牛は全く変わってきます。

ルール2:「好み」を知る

濃厚な味が好き?あっさりが好き? 普段、焼肉やステーキを食べる時の好みを思い出してみてください。

脂身は好き?赤身が好き? 豚肉の脂身が好きな人は霜降りを、鶏の胸肉が好きな人は赤身メインを選ぶと良いでしょう。

家族の年齢構成は? 小さな子どもや高齢者がいる場合は、脂肪分控えめの方が喜ばれることが多いです。

ルール3:「予算」を逆算する

「せっかくだから」と予算を決めずに買い物に行くのは危険です。

まず予算を決める → その範囲内で最良の選択をする

グラム単価で考える → 同じ予算なら、量を重視するか質を重視するかを決める

調味料や野菜代も含める → 和牛だけでなく、一食全体の予算を考える

具体的な選び方のコツ

初心者におすすめの部位

1位:肩ロース

  • 霜降りと赤身のバランスが良い
  • 比較的リーズナブル
  • 焼肉、すき焼き、ステーキと応用が利く

2位:リブロース

  • 柔らかくて食べやすい
  • 適度な脂肪分
  • ステーキにおすすめ

3位:サーロイン

  • 王道のステーキ用部位
  • 失敗が少ない
  • 特別感もある

避けた方が良い部位(初心者には)

  • バラ肉(脂肪分が多すぎることも)
  • ヒレ(高価な割に物足りなく感じることも もちろん当たり外れもあります)
  • 希少部位(当たり外れがある)

グレードの選び方

A5は必要? 正直、初心者にはA5は「オーバースペック」なことが多いです。

A4やA3でも十分美味しい 特に家庭での調理なら、A4やA3の方が扱いやすく、満足度も高いことが多いです。

「A」の意味を理解する 歩留まり等級(A、B、C)は、肉質とは関係ありません。Bランクでも美味しい和牛はたくさんあります。

量の目安

大人1人あたり

  • ステーキなら:200g前後
  • 焼肉なら:150g前後
  • すき焼きなら:120g前後

子ども(小学生) 大人の半分程度で十分です。

肉屋選びのポイント

信頼できるお店の特徴

スタッフが詳しい 「どんな料理に使いますか?」「何人分ですか?」と聞いてくれるお店は信頼できます。

試食させてくれる 高級な和牛を扱うお店では、小さなサンプルを試食させてくれることがあります。

保存方法を教えてくれる 購入後の保存方法や調理のコツを教えてくれるお店は、お客様のことを考えています。

避けた方が良いお店

異常に安い 相場より大幅に安い場合は、品質に問題がある可能性があります。

質問しても答えられない 産地や部位について質問しても、明確に答えられないお店は避けましょう。

冷蔵ケースの管理が悪い 温度管理が不適切だと、どんなに良い和牛も台無しになります。

調理での失敗を防ぐ

基本の準備

常温に戻す 冷蔵庫から出して30分(気温による)ほど、常温に戻してから調理しましょう。

水分を拭き取る キッチンペーパーで表面の水分をしっかり拭き取ります。

塩は直前に 塩を振るのは、焼く直前がベストです。

ステーキの焼き方のコツ

強火で短時間 表面をサッと焼いて旨味を閉じ込めます。

触りすぎない 焼いている間は、できるだけひっくり返さないようにしましょう。

休ませる 焼き上がったら、アルミホイルで包んで5分ほど休ませます。

私の「失敗しない」選び方

現在の我が家の選び方

普段の食事 肩ロースやモモの赤身メインで、A3-A4ランク

特別な日 リブロースやサーロインで、A4-A5ランク、ヒレ・シャトーブリアン

お客様をお迎えする時 相手の年齢や好みを考慮して、部位とグレードを調整、ヒレやシャトーブリアンも検討

まとめ:完璧を求めず、楽しく選ぼう

和牛選びに「正解」はありません。大切なのは、ご家族の笑顔と「美味しかった」という言葉です。

最初は失敗することもあるかもしれません。でも、それも含めて「食体験」の一部だと思います。

私も最初の失敗から学んで、今では家族が喜ぶお肉を選べるようになりました。皆さんも、少しずつ、ご家族に合った和牛肉を見つけていってください。

特別な日に、家族みんなで「美味しいね」と言いながら食べる和牛の味は、きっと忘れられない思い出になるはずです。

失敗を恐れず、楽しみながら選んでくださいね。


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管理栄養士・1級フードアナリスト・元栄養教諭
福永

次回は、「オンラインで肉を買うのが不安?配送・保存の疑問にお答えします」についてお話しします。

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