Gyudo!で味わう、福永畜産の想い

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鹿児島県さつま町。ホタルが群生する清らかな水と、薩摩の豊かな自然に恵まれたこの地に、「さつま福永牛」を育てる福永畜産がある。約1800頭の黒毛和牛を飼育し、繁殖から肥育、出荷、加工販売まで一貫して行う牧場。

三代続く、牛への想い

福永畜産の歴史は、良質な系統和牛生産への情熱から始まった。そして2000年、三代目の就任を機に有限会社福永畜産を設立。現在の代表、福永充氏が語る創業の想いは明確だ。

「自分でつくったものは、自分で売りたい。直接、消費者の方へ販売したい」

この強い信念が、福永畜産の全ての原点となっている。手塩にかけて育てた牛肉を、一番美味しい形でお届けし、余すことなく召し上がっていただきたい――その願いが、2012年の直営焼肉店「Gyudo!」誕生につながった。

ホタルが舞う、水の里「さつま」

さつま町は、鹿児島県北部に位置する自然豊かな地域。清流に恵まれ、初夏にはホタルが乱舞する美しい環境だ。この良質な水と温暖な気候が、「さつま福永牛」の味を支えている。

「牛にとって水は命です。さつま町の水は本当に美味しい。この水で育った牛は、肉質も違ってきます」

前迫店長が牧場を訪れるたびに感じるのは、この恵まれた自然環境への感謝だという。

「炊き餌」という、こだわりの飼育法

福永畜産の最大の特徴は、「炊き餌」という独特な飼育方法だ。穀物を独自の配合でブレンドし、炊き上げて牛に与える。この昔ながらの手法は、手間がかかるため他の畜産農家が避けがちな方法だが、福永畜産はこだわり続けている。

「炊いた餌は消化が良く、牛の体に優しい。そして何より、肉質が格段に良くなるんです」

この炊き餌が、「さつま福永牛」特有の、口に入れた瞬間にとろける良質な脂を生み出す。オレイン酸を含むMUFA(一価不飽和脂肪酸)の割合が非常に高く、融点が低いため、まさに「とろける」口当たりを実現している。

ジャズとクラシックが流れる牛舎

福永畜産の牛舎には、常にジャズやクラシック音楽が流れている。これは単なる演出ではない。牛のストレスを軽減し、リラックスした環境で育てるための工夫だ。

「牛もストレスを感じると肉質が悪くなります。音楽を聴かせることで、穏やかな環境を作っているんです」

床には、こまめに入れ替えられたフカフカのおがくずが敷かれている。牛たちは快適な環境で、のびのびと育てられている。まさに「牛ファースト」の精神だ。

ICT技術で実現する、きめ細かな管理

現代の牧場経営は、テクノロジーなしには語れない。福永畜産では、ほぼすべての牛にICTセンサーを装着し、データで管理している。

「特に子牛は、疾病の早期発見が重要です。センサーのデータから、餌の食べ具合や行動の変化をすぐに把握できます」

注目すべきは、現場スタッフだけでなく、事務所で働く事務スタッフもデータをチェックし、情報を共有していることだ。これにより、ヌケモレのない細やかな管理を実現している。

牧場の17年目のベテランスタッフは語る。

「入社当時は肥育牛約300頭・繁殖牛約40頭ほどでしたが、今は肥育牛1100頭・繁殖牛500頭・子牛300頭と大幅に増えました。ICT機器の導入で、人の手が必要な作業と機械が担える作業とに分け、効率よく行えるようになったんです」

日本一に輝いた、至高の肉質

福永畜産の努力は、確かな評価として結実している。2013年、「全国肉用牛枝肉共励会」で最高賞(日本一)を獲得。畜産農家が一度は取りたいと願う共励会での「名誉賞」も受賞している。

「共励会で賞をとることが目標です。そして消費者へ『おいしい』と言ってもらえること。この2つを胸に、日々励んでいます」

若手スタッフのこの言葉に、福永畜産のDNAが受け継がれていることがわかる。

きめ細やかな肉質と、甘みのある深い味わい

「さつま福永牛」の特徴を一言で表すなら、「上質な霜降りでとろけるような口当たり、きめ細やかな肉質で甘みのある深い味わい」だ。

最大の特徴は、脂肪の融点が低く、口に入れた瞬間にとろける良質な脂。これは、オレイン酸を含むMUFA(一価不飽和脂肪酸)の割合が非常に高いことによるもので、数々のコンテストでもトップクラスの評価を得ている。

前迫店長は言う。

「初めてさつま福永牛を食べた時の衝撃は忘れられません。こんなに柔らかく、甘みのある牛肉があるのかと。それ以来、この肉の魅力を伝えることが私の使命だと思っています」

繁殖から販売まで、一貫体制の強み

福永畜産の大きな強みは、繁殖・哺育・育成・肥育・出荷・加工販売まで、すべてを一貫して行っていることだ。

「牧草の収穫から始まって、子牛の誕生、育成、そして出荷まで。すべてを自分たちの目で見て、管理できる。これが品質の安定につながっています」

この一貫体制により、血統管理も徹底している。厳選された黒毛和牛の血統にこだわり、より良い牛づくりを追求し続けている。

コロナ禍を乗り越えて

2020年、新型コロナウイルスの影響で、直営飲食店2店舗が閉店を余儀なくされた。厳しい状況の中、福永畜産が取った行動は、オンラインショップの強化だった。

「非接触型の売り方に力を入れました。おかげさまでオンラインショップは多くのお客様にご好評いただき、コロナ禍を乗り切ることができました」

そして2020年、福永畜産店舗での小売・卸売もスタート。「和牛の道の駅」というキャッチコピーで、地元に根付いた「さつま福永牛」の安定供給に取り組んでいる。

若手が活躍する、チームワークの良さ

福永畜産の魅力は、若いスタッフが多く、チームワークが良いことだ。

「社長や上司も気軽に声をかけてくれるので、ワイワイ話すのがとても楽しいです。実家が種子島で繁殖農家をしているので、ここでたくさん勉強して、ゆくゆくは祖父にも認められる牛飼いになることが僕の夢です」

若手スタッフのこの言葉に、福永畜産の明るい未来が見える。

都内有名店も認める品質

「さつま福永牛」の品質は、都内の有名すき焼き店をはじめ、多くの高級飲食店で認められている。そして、直営店「焼肉 Gyudo!」では、さつま福永牛を余すことなく、最高の形で提供している。

「牧場直営だからこそ、希少部位も含めて一頭を丸ごと活用できます。お客様には、普段食べられない部位も楽しんでいただいています」

前迫店長の言葉には、福永畜産との強い絆が感じられる。

さらなる品質向上を目指して

「今でも十分おいしい『さつま福永牛』ですが、さらなる品質向上を目指して、社長をはじめ現場スタッフは研究と改善に取り組んでいます」

事務スタッフのこの言葉が、福永畜産の姿勢を物語っている。血統、餌、環境など様々な要因が肉質に影響する。奥深い畜産業において、常に探究心を持って改善を続ける――それが福永畜産の DNA だ。

鹿児島から全国へ、そして世界へ

現在、福永畜産は鹿児島に2店舗の直営店を展開。さらにオンラインショップを通じて、全国のお客様に「さつま福永牛」を届けている。

「『さつま福永牛』をより多くの方へ届けたい、食べてもらいたい。それに尽力し、さらなる広がりを目指していきます」

福永畜産の挑戦は、これからも続く。

Gyudo!で味わう、福永畜産の想い

天文館のGyudo!本店で前迫店長が提供する「さつま福永牛」には、福永畜産の三代にわたる想いが詰まっている。

「福永畜産さんの牧場を訪れると、いつも気持ちが引き締まります。これだけの愛情と技術で育てられた牛を、最高の形でお客様に提供しなければいけない。それが私たちの使命です」

ホタルが舞うさつま町から、天文館のGyudo!へ。「さつま福永牛」の旅は、今日も続いている。


福永畜産の「さつま福永牛」を味わう Gyudo!本店では、福永畜産直営ならではの希少部位も含めて、さつま福永牛を存分にお楽しみいただけます。50日間熟成させた至高の味わいを、ぜひご堪能ください。

熟成焼肉Gyudo!本店 住所:鹿児島県鹿児島市東千石町12-13 村山ビル1階 営業時間:ランチ 平日11:30-14:30、土日祝11:30-15:00 / ディナー 17:30-23:00(金土祝前日は24:00まで) 定休日:無休

熟成焼肉Gyudo!本店ご予約はコチラから

この記事を書いた人
福永

福永(株式会社牛道役員) 1級フードアナリスト・管理栄養士・日本箸教育講師・25年間の学校栄養教諭経験を経て、食品安全管理の知識と、現在の食肉業界での実務経験を活かし、消費者の皆様に安心・安全な食品選択のための情報を提供している。

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