先日、常連のお客様から、こんなことを聞かれました。
「福永さんのところって、牛舎で音楽を流してるって聞いたんですけど、本当ですか?味に関係あるんですか?」
正直に言うと、最初は私自身も「直接的な因果関係を証明してください」と言われたら言葉に詰まります。でも、30年以上この仕事をしてきた感覚として、ストレスのない環境で育った牛と、そうでない牛の肉質は、確かに違うと思っています。
今日は、普段お客様に細かく説明する機会が少ない「牧場での取り組み」と、それがなぜ食卓に届く肉の味に繋がるのかを、できるだけ正直に話してみようと思います。
こんな方におすすめ
- ✅ アニマルウェルフェアという言葉を聞いたことはあるが、実際に何をしているのか知りたい方
- ✅ 「美味しい和牛」の背景にある生産者のこだわりを深く知りたい方
- ✅ 鹿児島・天文館で牧場直営の本格焼肉を体験してみたい方
- ✅ 贈り物や通販で和牛を選ぶ際に、産地の信頼性を重視している方
- ✅ 「なぜ美味しいのか」を人に語れる食体験を求めている方

牛舎にジャズを流す、その理由
鹿児島県薩摩郡さつま町にある福永牧場では、牛舎の中にスピーカーを設置して、ジャズやクラシック音楽を流しています。
「牛に音楽を聴かせる」と聞くと、どこか微笑ましい話のように受け取られることもありますが、私の意図はシンプルです。牛を、できるだけ穏やかな状態に置いてやりたい、それだけです。
牛は繊細な動物です。突然の大きな音、慣れない人間の動き、環境の急な変化——そういったことが、牛にとって強いストレスになります。慢性的なストレスは免疫力の低下に直結し、体調管理のコストが増え、ひいては肉質にも影響する。これは畜産の現場では広く知られていることです。
だから音楽を流す。それが「おしゃれな取り組み」ではなく、牛の生理的な安定を目的とした、実用的な選択です。
アニマルウェルフェアとは、動物が「五つの自由」——空腹からの自由、不快からの自由、苦痛・傷病からの自由、正常な行動を表現する自由、恐怖・抑圧からの自由——を持って生きられる環境を指します。これを実践するには、毎日の地道な観察と手間が必要です。派手な話でも、認証を取って終わりの話でもありません。
ICTセンサーで何を管理しているのか
現在、牧場では1,850頭ほどの牛を飼育しています。繁殖牛・肥育牛・子牛と、役割も成長ステージも異なる牛たちを、少人数のスタッフで管理するために活用しているのが、センサー付き首輪によるICT管理です。
首輪に装着されたセンサーが、牛の行動量・反芻(ものを噛み返す動作)の回数・体の動きのリズムをリアルタイムで記録します。
牛が普段より動かない、あるいは反芻の回数が落ちている——これは体調不良のサインであることが多い。センサーのデータがアラートを出すことで、目視では気づきにくい初期段階の異変を捉えられます。
また、繁殖牛については発情タイミングの検出にもセンサーが役立っています。私自身、人工授精師の資格を持っていますが、適切なタイミングでの授精は妊娠率に直結する。データによる精度向上が、健康な子牛の安定生産につながっています。
こうした積み重ねが、A4等級以上9割という品質の安定性を支えているひとつの柱です。
✓ ここまでのポイント
- アニマルウェルフェアとは「動物のストレスを減らす環境づくり」のことで、音楽を流すのもその実践のひとつ
- ICTセンサーによる健康管理が、品質の安定(A4等級以上9割)を支えている
- これらの取り組みは、見映えのためではなく、肉質向上・健康管理という実用的な目的に基づいている
炊き餌と、地元のワラ。飼料へのこだわりが脂質を変える
さつま福永牛の脂質に関する数値を、ひとつご紹介します。
MUFA(一価不飽和脂肪酸)値、平均62%。脂の融点、13℃。
融点13℃というのは、手のひらで触れるだけで溶け始める温度です。和牛の平均的な脂の融点が15〜20℃とされていることを考えると、これは国内トップクラスの数値です。「霜降りなのに胃もたれしない」「脂があっさりしている」というお声をよくいただきますが、その理由がここにあります。
この脂質特性は、飼育環境だけでなく、飼料の内容によって大きく左右されます。
肥育後期には、大豆・米ぬかなどを蒸してつくる「炊き餌」を給餌しています。加熱・蒸すことで消化吸収率が上がり、牛の体への負担を減らしながら、必要な栄養をしっかり届けることができます。ベースとなる粗飼料は、地元農家産のワラや牧草。地域の農業と連携しながら、循環型の飼育を実践しています。
牛の排泄物は良質な堆肥として地元農家に戻る。その農家が育てたワラが、また牛の飼料になる。この循環のなかで育った牛が、皆様のお皿に届きます。
「日本一」という言葉の重さ
2013年、全国肉用牛枝肉共励会で名誉賞(最高賞)を受賞しました。そして2025年、全国肉事業枝肉共励会のグランドチャンピオンを獲得。これで4度目です。
受賞の場に立つたびに思うのは、「これは牛が獲ったものだ」ということです。
私たちができることは、牛が本来持っている力を引き出す環境を整えること。アニマルウェルフェアも、ICT管理も、炊き餌も——すべては牛の可能性を最大限に活かすための選択です。それが結果として「日本一」という客観的な評価につながった。
祖父が1頭から始めた牧場を、現在は1,850頭規模まで育てました。農協出荷から自主出荷へと切り替え、東京食肉市場への出荷契約を自ら取り付け、今は国内だけでなくアジア圏・EU・アメリカへと「さつま福永牛」という名前で販路を拡大しています。
それができたのは、肉の質で勝負してきたからだと信じています。
「鹿児島で牛の畜産をやっている友人から紹介。都内でこれだけの肉なら2倍以上のお会計のはず。本当に連れてきてもらって良かった」
TripAdvisor 来店者レビューより
「鹿児島焼肉ランチNo.1。脂が苦手と伝えたら赤身セレクションに変えてくれた。¥2,000台でこのクオリティは驚き」
Retty 来店者レビューより
その味は、鹿児島・天文館で確かめられます
アニマルウェルフェアで育てた和牛の味は、違うのか。
この問いに対して、私が出せる最も誠実な答えは「食べて確かめてほしい」です。
牧場から約60kmの場所にある鹿児島市・天文館の熟成焼肉Gyudo!(ギュウドウ)では、さつま福永牛を直接、焼肉という形で提供しています。繁殖から肥育・加工・飲食まで、すべて自社で完結している牧場直営だからこそ、食卓に届くまでの物語を、私たち自身が語ることができます。
ランチは1,870円から。ディナーはコース7,986円〜。特別な日には、完全個室の「牛道はなれ」でシャトーブリアンや焼きすき焼きとともに、一頭の牛の物語を召し上がっていただくこともできます。
見えないところにこだわり続けている——それが、さつま福永牛の味の理由です。
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牧場直営ならではの品質と、生産者が語れるストーリーをぜひ体験しにいらしてください。ご来店を心よりお待ちしております。
📞 お電話でのご予約・お問い合わせ: 0992232044
🔖 熟成焼肉Gyudo!ご予約<24時間受付>(本店・天文館)
🔖 個室焼肉牛道はなれご予約<24時間受付>(接待・記念日・完全個室)