マイルス・デイヴィスか、あるいは
ショパンか。
牛たちは、ただ静かに、
その音に包まれている。
「牛舎に音楽を流す」——初めて聞いたとき、「なんとなく良さそう」という印象を持つ方が多いと思います。でも、福永畜産がこれを続けているのは、「なんとなく」ではありません。
音楽と肉質の関係には、科学的な背景があります。そして、その背景を知ると、さつま福永牛の肉質データが、別の角度から見えてきます。
「ストレス」が肉質を変える、という事実
まず、前提となる知識をお伝えします。牛の肉質は、飼育環境のストレスによって大きく変わります。
人間も同様ですが、牛もストレスを受けると副腎からコルチゾールが分泌されます。これは体を「闘うか逃げるか」の状態に置くホルモンです。
ストレスホルモンは筋肉のたんぱく質を分解してエネルギーに変えようとします。これが「肉質の低下」「硬さ」「旨味の減少」につながります。
「DFD肉(Dark, Firm, Dry)」と呼ばれる、暗色で硬く水分の少ない肉になることがあります。これはストレスによってグリコーゲンが消耗することが原因のひとつです。
穏やかな環境で育てられた牛は、筋肉が均一に発達し、霜降りの入り方も安定します。これが「飼育環境が肉質に直結する」という理由です。
では、なぜ音楽がストレス軽減になるのか
牛が「音楽を聴いて癒される」というのは、感情論ではありません。音響刺激が自律神経系に影響を与えるという研究は、人間だけでなく家畜でも報告されています。
副交感神経を優位にする
突発音を和らげる
「慣れ」が生まれる
さつま福永牛の牛舎では、常にジャズやクラシックが流れています。これは「おしゃれな演出」ではなく、牛が穏やかな状態で過ごせるための環境設計です。
音楽が流れている牛舎の中で、お腹を見せて横になっている牛がいます。これは、完全にリラックスしているサインです。警戒しているときや、不安なときには絶対に見せない姿勢です。
「牛のお腹が一番正直な品質チェックです」——そう言ったのは、夜中の見回りに来たスタッフです。横になって音楽を聴いている牛を見るたびに、「この環境が肉質に出ている」という確信が深まります。
データと感覚を、両方使う牧場
福永畜産の特徴は、最新技術と人の目を組み合わせている点です。どちらか一方ではなく、両方を使います。
センサー付き首輪による
ICT個体管理
2,000頭近い牛一頭一頭の体調・活動量・反芻状況をセンサーで24時間把握。データの変化が、体調変化の早期発見につながります。
スタッフが当番で行う
夜間の見回り
センサーが拾えない「空気感」「目の輝き」「横になり方」——そういうものを、人の目で毎晩確かめます。データと感覚が互いを補い合います。
音楽もそのひとつです。センサーでは測れない「牛の安心感」を、音という環境で作り出す。数字にはならないけれど、肉質として最終的に現れてくるものへの投資です。
音楽の隣にある、もうひとつのこだわり
ジャズが流れる牛舎には、他にもいくつかのこだわりが重なっています。
穀物を蒸して与える「炊き餌」は、手間がかかります。でも、消化吸収率が上がり、牛のコンディションが安定します。「この手間が、最終的に肉質に出る」——毎朝繰り返される作業です。
さつま町の農家と連携して開発した、発酵させた稲の飼料。地元の田んぼが育てた稲が、さつま福永牛の体を作ります。循環の一部です。
「どの牛を親にするかが、10年後の肉質を決める」という考えのもと、繁殖から自社で管理します。450頭の繁殖牛から始まる品質設計です。
見えない手間が、数字になって現れる。
その品質を、そのまま届けるために
音楽の中でのびのびと育った牛が、カット直後に瞬間冷凍されます。切りたての状態がそのまま閉じ込められるため、スーパーで冷蔵のまま数日間陳列されている肉より、劣化が少ない状態でお手元に届きます。
牛舎でジャズが流れていた、あの時間が——あなたの食卓に届くまで、ちゃんと守られています。
ジャズが流れる牛舎で育った、さつま福永牛。
カット直後に瞬間冷凍。切りたての状態でお届けします。
牧場直営・産地直送。
さつま福永牛 公式オンラインショップ | satsuma-fukunaga.raku-uru.jp