結論から言うと、「一頭飼い→一頭売り」という仕組みがなければ、希少部位は焼肉店のテーブルには届きません。
なぜそう言い切れるのか。牧場で生まれ、育て、出荷して、自分たちの店で出す——その全工程を自社でまわしているオーナーだからこそわかることがあります。今回は、さつま福永牧場直営ギュウドウ「熟成焼肉Gyudo!」の代表・福永充に、あらためて「一頭飼い」の意味を聞いてきました。
こんな方におすすめ
- ✅ 焼肉店で「希少部位」と書いてあっても、なぜ希少なのかわからない方
- ✅ 牧場直営と一般の焼肉店、何が違うのか気になっている方
- ✅ 鹿児島・天文館で「語れる焼肉体験」を探している方
- ✅ さつま福永牛の品質の根拠を知ってから来店・購入したい方
- ✅ 産地直送の和牛ギフトを選ぶ際、「なぜこれなのか」を人に説明できるようになりたい方

第1位:一頭の牛から採れる「希少部位」は、一頭まるごと扱える店しか出せない
焼肉店のメニューに「希少部位」と書かれた文字を見たことがある方は多いと思います。でも、「なぜ希少なのか」を正確に答えられる人はどれくらいいるでしょうか。
福永がこう話します。「牛一頭から採れるシャトーブリアン(ヒレの芯の部分)は、左右合わせてせいぜい1〜1.5kg。サーロインと比べても、数分の一しか取れません。ミスジやザブトン、イチボといった部位も同じで、一頭のうちのほんの一部分なんです」
一般的な焼肉店の多くは、卸業者や商社から「部位ごと」に仕入れます。カルビはカルビだけ、ロースはロースだけ、という買い方です。その仕組みでは、希少部位を安定的に仕入れることは構造的に難しい。なぜなら、卸の段階ですでに「おいしい部分だけを抜き取ってから出荷する」ということが起きているからです。
さつま福永牛の場合は違います。牧場で繁殖・肥育した牛を自社で出荷し、精肉加工まで自社グループで行う。だから一頭まるごとの使い方ができる。シャトーブリアンも、ミスジも、ザブトンも——「うちが育てた牛から出た部位だから、うちの店で出せる」というシンプルな話です。
第2位:「A4等級以上9割」を安定維持できる理由は、牛舎のジャズにあった
全国の和牛の中でもA4等級以上を年間で9割維持し続けるのは、決して簡単なことではありません。その安定した品質の背景にあるのが、アニマルウェルフェア(動物福祉)を軸にした飼育環境です。
鹿児島県薩摩郡さつま町にある福永牧場では、牛舎の中でジャズやクラシック音楽を流しています。「牛はストレスを受けると肉質が落ちます。穏やかな音楽がストレスを軽減することは、肉質データにも表れています」と福永は言います。
さらに、ICTセンサー付きの首輪で一頭一頭の体調変化をリアルタイムに把握。妊娠率の改善や早期の体調対応に役立てています。約1,850頭(肥育牛約1,100頭・繁殖牛約450頭・子牛約300頭)を管理しながら、一頭一頭に目を届かせる——そのための仕組みがICT精密畜産です。
飼料にも独自のこだわりがあります。地元農家が育てたワラや牧草を中心に使用し、肥育後期には大豆・米ぬかなどを蒸してつくる「炊き餌」を給餌。その結果として実現しているのが、MUFA(一価不飽和脂肪酸)値平均62%・脂の融点13℃という数値です。和牛の平均的な脂の融点が15〜20℃とされる中、さつま福永牛の脂は人の体温以下で溶ける。だから口の中でするりとほどける食感になるわけです。
✓ ここまでのポイント
- 「一頭飼い→一頭売り」の完全一貫経営があるから、希少部位を焼肉店のテーブルに届けることができる
- アニマルウェルフェア・ICTセンサー・炊き餌という三位一体の飼育環境が、A4等級以上9割という安定品質を支えている
- MUFA値62%・融点13℃という数値が、「くどくない霜降り」の味わいを科学的に裏付けている
第3位:「都内なら2倍以上」の価格で出せる理由は、流通の中抜きにある
お客様の声を見ていると、ある言葉が繰り返し出てきます。
「鹿児島で牛の畜産をやっている友人から紹介。都内でこれだけの肉なら2倍以上のお会計のはず。本当に連れてきてもらって良かった」
TripAdvisor より
この「都内なら2倍以上」という感覚は、決して誇張ではありません。牧場から焼肉店のテーブルまでに、通常どれだけの手数料と流通コストが乗るかを考えると、話が見えてきます。
一般的な流通では、生産者→農協→市場→卸→小売→飲食店、と複数の手が介在します。各段階で利益が乗り、最終的なメニュー価格はその積み重ねになります。さつま福永牛の場合、生産→加工→販売→飲食をすべて自社グループ内で完結させているため、中間マージンが大幅に削減されます。牧場直営だから実現できる適正価格——それが「ランチ1,870円から日本一の牛が食べられる」という現実を支えています。
「鹿児島焼肉ランチNo.1。脂が苦手と伝えたら赤身セレクションに変えてくれた。¥2,000台でこのクオリティは驚き」
Retty より
本店店長のマエは、関東の大手スーパー精肉部で長年培った目利きを持って鹿児島にUターンしてきたスタッフです。「脂が苦手な方にはその場で赤身中心の構成に変える」という対応は、肉の特性を熟知しているからこそできることです。専門知識がサービスの質に直結している、それが牧場直営ならではの店舗運営です。
第4位:「グランドチャンピオン4回」という称号が意味すること
さつま福永牛の品質を語る上で欠かせないのが、2013年の全国肉用牛枝肉共励会における名誉賞(最高賞)受賞と、全国肉事業枝肉共励会でのグランドチャンピオン4回獲得(最新2025年)という実績です。
「受賞歴って、一度取れば終わりだと思われることがある。でも、生き物を育てている以上、毎年同じ質の牛を出すことの方がよほど難しい」——そう福永は言います。グランドチャンピオンを4回獲得しているということは、品質が「点」ではなく「線」として続いているということ。それが消費者にとっての本当の意味での信頼になります。
現在は国内の受賞実績にとどまらず、アジア圏・EU・アメリカへの輸出も進行中。「鹿児島黒毛和牛」としてではなく、「さつま福永牛」として海外に届けることを目指しています。地域のブランドとしてではなく、生産者個人のブランドとして世界に出て行く——34年の畜産経験を持つ福永が描く次のステージです。
第5位:「六次産業化」とは、一頭の命を余すことなく価値にするということ
繁殖・肥育・加工・販売・飲食、さらに通販・ふるさと納税・道の駅直売・キッチンカーと、さつま福永牛の届け先は一つではありません。これを「六次産業化」と呼びますが、福永にとってこれは経営戦略という以前に、「育てた命を最後まで丁寧に使い切る」という思想から来ています。
飲食店では提供しにくい部位も、道の駅の直売所では当日限りの形で販売できます。贈り物にしたい方には食べチョク(評価4.9点)・楽天市場経由のギフト対応商品があります。ふるさと納税の返礼品としても採用されており、全国47都道府県に届いています。
「牧場から食卓へ、一頭の命を丸ごと」——この言葉は、一頭の牛を育てた人間にしか持てない視点から来ています。育てた命に対しての責任として、余すことなく、最も喜ばれる形で届ける。それが六次産業化の本質だと、福永は話しています。
まとめ:「一頭飼い」の先に、鹿児島天文館のテーブルがある
希少部位が食べられる理由は、一頭まるごとを扱える仕組みがあるからです。品質が安定している理由は、ICTと音楽と炊き餌による飼育環境があるからです。価格が適正な理由は、流通の中抜きをしているからです。そして受賞歴に説得力がある理由は、毎年同じ品質を出し続けているからです。
これらすべてがつながった先に、鹿児島・天文館の「熟成焼肉Gyudo!」のテーブルと、「個室焼肉 牛道はなれ」の個室があります。
牧場から直接届くさつま福永牛を、ぜひ一度ご自身で確かめてみてください。「なぜこの肉なのか」を体験を通じて語れるようになったとき、食事の記憶は少し深くなります。
ご予約・お問い合わせは、お電話または下記の予約フォームよりお気軽にどうぞ。スタッフ一同、皆様のご来店をお待ちしております。
📞 お電話でのご予約・お問い合わせ:0992232044