先日、東京からいらしたお客様に「薩摩のさつまって、どういう意味があるんですか?」と聞かれました。天文館の本店でお話しながら、牧場のことを伝えると「来てみて初めてわかった」とおっしゃっていただきました。そのひと言が、この記事を書こうと思ったきっかけです。
「薩摩のさつま」は、鹿児島県が推進する地域ブランドの認定制度です。単なる産地表示ではなく、生産者が地域と共に育んだ品質・文化・こだわりを一つのブランドとして可視化する仕組みです。さつま福永牛は、その参加ブランドの一つとして認定を受けています。
こんな方におすすめ
- ✅ 「薩摩のさつま」という言葉を初めて聞いて、意味を知りたい方
- ✅ さつま福永牛がどのような経緯で生まれたブランドなのか興味がある方
- ✅ 鹿児島産の黒毛和牛を選ぶ際に、産地や生産者の背景を重視する方
- ✅ ふるさと納税やギフトで「語れる理由のある肉」を選びたい方
- ✅ 鹿児島観光の際に、本物のブランド和牛を体験したい方

「薩摩のさつま」ブランドとは何か?
「薩摩のさつま」とは、鹿児島県内の農水畜産物や食品・工芸品を対象とした地域ブランド認定制度です。単に「鹿児島産」という産地表示にとどまらず、品質基準・生産者のこだわり・地域との関わりを一定の基準で審査し、認定された産品にのみ使用が許されます。
私たち福永畜産(さつま福永牧場)がこの認定に参加しているのは、「さつま福永牛」という名前が単なる商標ではなく、地域と生産者の関係の上に成り立つブランドであることを明示したいからです。牛を育てる鹿児島県薩摩郡さつま町の土地・水・空気・地域農家との連携——それが「さつまのさつま」という言葉に込められた意味と重なります。
このブランドに参加することで、収益の一部を地元の教育やスポーツ振興に還元する仕組みにも参加しています。牛を売るだけでなく、地域を一緒に育てる。それが私たちにとっての「ブランドに参加する意味」です。
さつま福永牛はなぜ生まれたのか?
私(代表・福永充)が家業の畜産業に携わったのは、今から34年ほど前のことです。祖父が一頭から始めた牧場を引き継いだとき、飼育頭数は50頭ほどでした。当時は農協を通じた出荷が主流で、自分の牛がどこへ行き、誰の食卓に届き、どう評価されたか——その声を聞く手段がほとんどありませんでした。
転機になったのは、地元で少量を自ら販売する機会を得たことです。消費者の方から直接「脂がしつこくない」「食べやすい」という言葉をいただいたとき、自分の牛が持つ価値を初めてリアルに受け取った気がしました。「届け先の顔が見える出荷をしたい」——その思いから農協を離れ、銀行との取引を通じて自主出荷への道を切り開きました。東京食肉市場への出荷契約を取り付け、やがて繁殖・肥育・加工・販売・飲食までを自社で完結する六次産業化へと発展させました。
現在は、肥育牛約1,100頭・繁殖牛約450頭・子牛約300頭、合計約1,850頭を飼育し、年間約600頭を出荷しています。「さつま福永牛」という名前は、鹿児島県薩摩郡さつま町で育てた牛を、福永という人間の責任で届けるという意思表示でもあります。
✓ ここまでのポイント
- 「薩摩のさつま」は鹿児島県の地域ブランド認定制度であり、品質・地域性・生産者のこだわりが審査される
- さつま福永牛は、農協出荷から自主出荷への転換という生産者の意志から生まれたブランドである
- 収益の地域還元まで含めた循環型の仕組みがブランドを支えている
さつま福永牛の品質はどこで証明されているのか?
「ブランドを名乗るのは誰でもできる」という声があることも、正直に知っています。だからこそ、品質を客観的な数字と受賞歴で示し続けることを大切にしてきました。
まず数値の面では、さつま福永牛のMUFA(一価不飽和脂肪酸)値は平均62%、脂の融点は13℃です。和牛の平均的な融点が15〜20℃と言われる中、13℃という値は口に入れた瞬間にするりと溶ける脂質特性を意味します。「霜降りなのに胃もたれしなかった」「くどくない」というお声をよくいただくのは、この数値が理由です。A4等級以上が年間出荷の9割を占める安定した品質も、ICTセンサーによる精密畜産と丁寧な飼料管理によって維持されています。
受賞という面では、2013年(平成25年)の全国肉用牛枝肉共励会で最高賞にあたる名誉賞を受賞。さらに全国肉事業枝肉共励会でグランドチャンピオンを4度獲得しており、直近の受賞は2025年です。これらは「主観的においしい」ではなく、専門家による審査という客観的な評価です。
また飼料へのこだわりも品質を支える柱の一つです。地元農家が育てたワラや牧草を中心に使用し、肥育後期には大豆・米ぬかを蒸した「炊き餌」を給餌しています。牛舎ではジャズやクラシック音楽を流し、アニマルウェルフェアの観点からもストレスの少ない環境を整えています。牛の排泄物を堆肥として地域農家に還元する循環型農業も実践しており、地域のつながりの中でブランドが成り立っています。
「鹿児島で牛の畜産をやっている友人から紹介。都内でこれだけの肉なら2倍以上のお会計のはず。本当に連れてきてもらって良かった」
TripAdvisor・ご来店のお客様
「さつま福永牛」は今、どこで食べられるのか?
牧場から食卓への経路を自社で完結しているからこそ、さつま福永牛は複数のかたちで届けることができます。
鹿児島市天文館では、牧場直営の焼肉店として2店舗を営業しています。本店「熟成焼肉Gyudo!(ギュウドウ)」は、天文館通駅より徒歩2分・カジュアルな雰囲気で42席を備え、ランチは1,870円から本格和牛を楽しめます。もう一方の「個室焼肉 牛道はなれ」は完全個室で2名〜最大16名まで対応し、接待・記念日・還暦祝いなどハレの日の食事に寄り添う空間です。
来店が難しい方には、食べチョク(評価4.9点)や楽天市場のオンラインショップから全国へ発送しています。ギフト対応(のし・化粧箱)も可能なので、「語れる理由のある贈り物」として活用していただいています。また、ふるさと納税の返礼品としても採用されており、さつま福永牛を入口に知っていただく方も増えています。
さらに、生産の現場に近い場所で購入したい方には、鹿児島市から約60km離れた北薩地域の「和牛の道の駅(福永畜産直売所)」をご利用いただけます。飲食店では提供しにくい希少部位を産地価格で手に取れる場所として、ドライブがてら訪れる方も少なくありません。
国内だけでなく、アジア圏・EU・アメリカへの輸出も進めており、「鹿児島黒毛和牛」としてではなく「さつま福永牛」として海外に届けることを目指しています。名前を背負って届けることへの責任が、品質への姿勢を支えています。
「見た目が豪華で贈答用として喜ばれる。さっぱりとした口当たり。のし対応も可能で使いやすかった」
食べチョク・通販ご利用のお客様
「薩摩のさつま」に参加することの意味とは?
地域ブランドへの参加は、認定を受けることが目的ではありません。「なぜこの肉なのか」を伝える言葉を持つことが、生産者にとっての本当の意義だと感じています。
「さつま福永牛」という名前に込めた産地・飼育環境・受賞歴・循環型農業という背景は、口コミや贈り物の場面で「選んだ理由を語れる」情報になります。食べた人が誰かに話したくなる、贈った人が相手に説明できる——そのストーリーを持てることが、地域ブランドの本質的な価値だと思っています。
天文館の本店やはなれで牧場の話をすると、「そんな背景があったんですね」と驚かれる方が今でも多くいらっしゃいます。一頭の命を繁殖から飲食まで丸ごと届ける六次産業化の仕組みは、消費者の方にとっても「透明性がある」という安心につながっていると感じています。
「薩摩のさつま」というブランドは、まだ成長の途中です。地域と生産者と消費者が一緒に育てていくもの——その感覚を大切にしながら、これからも牧場と食卓を繋ぎ続けていきます。
まとめ:ブランドの背景を知ると、肉の味が変わる
「薩摩のさつま」ブランドとは、鹿児島の産地・生産者・地域のつながりを一つの看板に束ねた品質保証の仕組みです。さつま福永牛は、その参加ブランドとして34年の畜産経験・全国最高賞の受賞歴・六次産業化という独自の経営モデルを背景に持ちます。
牧場の話を知ってから食べる肉の味は、何も知らずに食べる肉とは違って見えます。それが「語れる食体験」の正体だと、私は思っています。
天文館で実際に味わってみたい方は、本店またははなれへぜひお越しください。ランチは1,870円から、はなれのコースは12,000円から承っております。ご予約・ご相談はお気軽にどうぞ。
熟成焼肉Gyudo!ご予約<24時間受付>
個室焼肉牛道はなれご予約<24時間受付>
お電話でのご予約・お問い合わせは 0992232044 まで。