梅雨明けの蒸し暑い日が続く鹿児島。夕方になっても街に熱気が残る天文館の路地を歩いていると、ふと「今夜は焼肉が食べたい」という気分になるのは、自分だけではないはずです。それも、ただ肉を焼くだけじゃなくて、「この肉はどこで育って、誰が選んで、どう焼けば一番うまいのか」が分かる場所で食べたい。
今回は、さつま福永牧場直営 熟成焼肉Gyudo!本店の店長・通称「マエ」に話を聞きました。寡黙そうに見えて、肉の話を始めると止まらない。愛犬のパグの写真を見せるときと同じくらい、目じりが下がる人です。
こんな方におすすめ
- ✅ 焼肉店を選ぶとき「どこも同じでしょ」と感じていた方
- ✅ 精肉のプロが実際に何を見て肉を評価するか知りたい方
- ✅ 天文館エリアで信頼できる焼肉店を探している方
- ✅ 肉の焼き方を教えてもらいたい・もっとうまく食べたい方
- ✅ 牧場直営という言葉の意味を、もう少し具体的に理解したい方

関東の精肉売り場から、鹿児島の焼肉店へ。マエの経歴
マエが精肉の世界に入ったのは、鹿児島を離れて関東に出たころのことです。地元を出て就いた仕事が、スーパーの精肉部門。「お客さんが毎日手に取る肉を、どう切って、どう陳列すれば喜んでもらえるか」を考え続けた現場でした。
部位ごとの特性、脂の入り方、筋の走り方、熟成の状態——。大量の肉を毎日扱う中で、「良い肉」と「そうでない肉」の差を目と手で感じ取る感覚が、少しずつ身についていったといいます。スーパーの精肉部門は、一見地味に見えて実は非常に高度な現場です。コストと品質のバランスを常に問われながら、お客様の日常の食卓に責任を持つ仕事だからです。
その後、鹿児島へUターンし、株式会社牛道に入社。牧場直営という環境に身を置いてみると、「スーパー時代と見える景色が全然違う」と感じたそうです。「仕入れた肉を売る」のではなく、「育てた牛がどういう状態で届くかを、川上から全部知っている」。その違いは、マエの目線をさらに鋭くしました。
「妥協しない」というより、「妥協できない」理由がある
マエはよく「妥協を許さない」と表現されますが、本人に言わせると少しニュアンスが違うようです。
「妥協したくない、というより、妥協したら分かってしまうんですよね。肉の状態って、誤魔化しがきかない。脂の色、赤身の締まり方、臭いの有無。お客様がテーブルに座る前の段階で、自分がその肉を全部確認している。だから、いい加減なものを出すと、自分が一番先に気づいてしまう」
これはさつま福永牧場直営という環境があってこそ言えることでもあります。Gyudo!で提供しているのは、すべて「さつま福永牛」。繁殖から肥育、加工・精肉、そして飲食提供まで一貫して自社で完結する「一頭飼い」の体制だからこそ、マエはその牛の来歴を把握した上でメニューに落とし込めます。どこの農場で育ったか分からない肉を扱うのとは、責任の重さがまったく異なります。
オーナーは1956年に祖父が1頭から始めた牧場を継承し、34年にわたって約1,850頭を管理してきました。全国肉用牛枝肉共励会でグランドチャンピオンを4回受賞(2013・2019・2023・2025年)しているその「さつま福永牛」を、マエは毎日店頭で受け取り、状態を見極め、最良の形でお客様に届けています。
✓ ここまでのポイント
- マエは関東のスーパー精肉部門で「目と手で分かる」感覚を磨いた、現場叩き上げのプロ
- 牧場直営の「一頭飼い」体制だからこそ、肉の来歴を知った上で品質を管理できる
- 「妥協できない」のは、誤魔化しが効かないことを誰より知っているから
焼き方まで責任を持つ、ということ
Gyudo!に来たことがあるお客様は、テーブルでスタッフが焼き方を説明してくれることをご存知かもしれません。「焼き方、ご説明しましょうか?」という一言は、単なるサービスではなく、マエが「最後まで責任を持つ」という考え方の表れでもあります。
「どんなに良い肉でも、焼き方を間違えると台無しになる。強火で焼きすぎると脂が抜けて固くなるし、反対に火が通りきらないと香りが引き出せない。部位によってまったく違う焼き方が必要で、それを知らないまま食べると、肉の本来の価値を半分も楽しめていないことになる」
せっかく手をかけて育てた牛を、最良の状態でお客様に届ける——。そのゴールは「テーブルに置いた瞬間」ではなく、「口に入って、おいしいと感じていただいた瞬間」だとマエは考えています。だから、こだわりの肉についてはスタッフが焼くこともいとわない。「スタッフが焼くのが当たり前の店」を目指しているわけではないけれど、その選択肢を持っていることが、牧場直営店の誠実さだと思っています。
「脂が苦手と伝えたら赤身セレクションに変えてくれた」
(Rettyより)
このお客様の声が、マエの仕事のスタイルをよく表しています。脂が多いからA5等級が偉い、というわけではない。その方にとってベストの一皿を提供できることが、プロとして正しい仕事だという考え方です。
「ここの肉は何か違う、もう他では食べられない」
(ご来店のお客様より)
寡黙な店長の、意外な素顔
仕事中のマエは、どちらかといえば口数が少ないタイプに見えます。ホール全体を見渡しながら、必要なタイミングで必要な言葉だけを選んで話す。無駄がない、という表現が似合います。
ところが、話すテーマが「肉」か「競馬」か「愛犬のパグ」になると、別人のようにしゃべり出すというのはスタッフの間では有名な話です。特にパグの写真を見せながら話すときは、目じりが完全に下がっている。普段の凛とした表情とのギャップが、なんともいえない親しみをもたらします。
休日は地元の公園を散歩するのが好きなのも、そのパグとの時間があるからかもしれません。忙しい日々の中で、鹿児島の空気と緑の中をゆっくり歩く。そのリセットがあるから、店に立ったとき集中できる、とでも言いそうなキャラクターです。
「肉のことは聞いてもらえれば話す。お客様に必要ないことは自分からは言わない」というのがマエのスタンス。それが、天文館の賑やかな夜の中で「なんとなく落ち着いて食べられる」雰囲気につながっているのかもしれません。
まとめ:育てた人と、選んだプロが揃う店
天文館には焼肉店が数多くあります。その中でGyudo!本店を選ぶ理由として、「牧場直営だから」と答えるお客様が多いのですが、それをリアルに体現しているのが、マエのような存在です。
産地を知り、牛を知り、部位を知り、焼き方を知る。そして、目の前のお客様が何を求めているかを読んで、最適な一皿を組み立てる。それが、Gyudo!本店で食事する時間の価値だと思っています。
ランチでもディナーでも、「せっかくだから一番いい状態で食べたい」という方は、ぜひスタッフに声をかけてみてください。マエは寡黙に見えますが、肉の話なら喜んでお付き合いします。
ディナーで焼肉をしっかり楽しみたい方には、さつま福永牛を17品構成でご堪能いただける上焼肉コース(税込7,986円)もご用意しています。はじめてのご来店でも、スタッフが丁寧にご案内しますので、お気軽にどうぞ。
ご予約・お問い合わせは、お電話またはオンラインにてお気軽にどうぞ。当日のご相談も、可能な範囲でお応えします。
個室でゆっくり過ごしたい方には、徒歩3分の系列店もございます。
個室焼肉 牛道はなれはコチラ


コメント